実は肌荒れではなかった!?あなたを脅かす乾燥性皮膚炎の恐怖
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「最近なんか肌が乾燥するし、肌荒れがすごいな…。」
そう思っているあなた!
実は、その肌荒れだと思っている症状、乾燥性皮膚炎かもしれません!!
肌荒れと勘違いされやすいですが、もしあなたの症状が乾燥性皮膚炎だったら大変です。
自分が乾燥性皮膚炎かどうか?もし乾燥皮膚炎ならどのような対処をすればいいのかを見ていきましょう。
目次
あなたの肌は大丈夫か?乾燥肌と乾燥性皮膚炎
まずは、あなたのお肌が乾燥性皮膚炎なのかどうかをチェックしていきましょう。
乾燥性皮膚炎は皮膚にあらわれる
肌を見るときに顔のにばかり気を取られがちですが、私たちの全身はすべて一枚の皮膚に覆われています。
皮膚は外的刺激から私たちを守るために、日々さまざまな脅威にさらされているんです。
乾燥はもちろん顔だけに起きるわけではありません。
むしろ、皮脂の分泌が少ない体全体に出ていることが多いのです。
体の手の届かない部分だと気付かないうちに大きな肌トラブルを招いていたということはよく見受けられます。
そして乾燥から起きる肌トラブルでも注意が必要なのが、乾燥性皮膚炎です。
乾燥性皮膚炎とは、肌がかゆくなったり、もっとひどくなるとひび割れてきたりする肌の病気です。
空気が乾燥する秋から冬にかけて起こりやすい病気で、ただの肌荒れと間違われやすいという注意点があります。
もともと乾燥肌気味という自覚がある方は、「冬になったからいつもの乾燥肌が始まったな~」くらいの意識で済ませてしまうかもしれません。
しかし乾燥肌ではなく、乾燥性皮膚炎に進化を遂げている可能性もあるのです。
乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)になると、湿疹ができ、湿疹ができると余計に乾燥するという悪循環に陥ります。
乾燥の不のスパイラルはなかなか抜け出しづらいです。
湿疹ができて、乾燥が止まらない事態に既になっているのならば、すみやかに皮膚科へ行きましょう。
乾燥肌と角質層の関係
冬になって空気が非常に乾燥すると、誰でもお肌が乾燥しますよね。
「カサカサするな、なんだかお肌がつっぱるな」という程度のうちは、乾燥肌です。
皮膚は何重にも組織が重なっている、ミルフィーユのような構造になっています。
大きく分けると表皮と真皮に分かれ、表皮は私たちがスキンケアでお手入れをしている部分、真皮はその奥にある、コラーゲンなどの保湿成分でできた弾力層です。
お肌のミルフィーユの一番外側にあるのは、皮脂膜という薄い膜のようなものです。
これは汗と皮脂が混ざったクリーム状のもの。
天然の保湿クリームと呼ばれ、肌を最前線で乾燥から守っています。
次にあるのは角質層です。
みなさんにもおなじみの角質層ですが、実はスキンケアが浸透できるのは、角質層までと言われています。
実は0.01~0.03mmという非常に薄い、ティッシュペーパー1枚にも満たないような薄い組織です。
表皮がターンオーバーを繰り返すことで、14日かけて新しく生まれた細胞が死んでいきます。
死んでしまった細胞は、14日間肌に留まって、まだ生きている皮膚細胞やその下の組織を守り続けます。
その「死んでしまった皮膚細胞」こそが、角質層なのです。
角質層は死んでしまった皮膚細胞がレンガのようにきっちり積み重なっています。
その間を角質細胞間脂質と呼ばれる物質がぎっちりと埋めて、セメントのように守りを強固にしています。
角質細胞間脂質の代表的な成分が、セラミドです。
しかし乾燥が進んで乾燥肌になると、角質細胞間脂質が干上がって、角質層が柔軟性を失います。
そのため皮むけやひび割れが起こり、乾皮症と言われる状態になります。
困った脚の乾燥肌「粉ふき脚」
身体の乾燥の中でも、多くの女性が気になるのがストッキングやパンツのゴムが当たる部分のかゆみや、粉ふき脚ではないでしょうか。
顔の皮膚が乾燥している時、髪の毛が触れるととてもかゆくなりますよね。
これは接触性皮膚炎の一種と考えられます。皮膚が乾燥しすぎていると、バリア機能が低下して敏感肌になってしまいます。
髪の毛が触れただけでも刺激になり、かゆくなってしまうのです。
同じように、身体の中でもお腹や腰は乾燥しやすい場所です。
そのため、いつもストッキングやパンツのゴムで刺激していると、かゆくなってしまうのです。
かきむしることで余計に状態は悪化してしまいます。
またもっと女性にとって悩みのタネになるのが、粉ふき脚ですよね。
冬に黒いタイツをはくと、いつの間にかフケのような白い粉がいっぱいついているという、あの現象です。
あれはやはり乾燥しやすい肌を持つ脚のスネ部分の乾燥が進み、角質が剥がれ落ちて粉状になってしまっています。
乾燥性皮膚炎にならないための直し方と予防法
乾燥性皮膚炎は毎日、自宅でケアをすれば直すことが可能です。
毎日の正しいケアは、乾燥性皮膚炎の予防にもなりますのでぜひ取り組んでみましょう。
1. 一番重要なのはもちろん保湿
乾燥性皮膚炎になる最大の原因は、もちろん乾燥です。
保湿しているようで保湿できていない人がおおいので、いつもの保湿ケアを見直す必要があります。
保湿方法は保湿剤を塗ったり、美容液を身体に塗ったりする方法が一般的です。
保湿剤や美容液を身体に塗るときは、入浴後に塗ると効果を最大限発揮することができます。
乾燥性皮膚炎の症状がひどい場合は、症状を抑えることができる『抗ヒスタミン薬』や炎症を抑える『ステロイド外用剤』を使うのがいいでしょう。
そして、入浴する際には熱いお湯を避け、肌に優しい温度である39度~40度に設定します。
熱めのお風呂が好きな人にとって物足りないかもしれませんね。
またアクリルタオルでゴシゴシこすることもやめましょう。
さらにボディソープの成分にも注目です。肌に負担のかかる強い成分が多く使用されているものは避け、天然素材で汚れをソフトにオフできるものを選ぶのがGOODです。
乾燥肌
お風呂から出たら、とにかく肌のしっとり感があるうちに素早くボディクリームでフタをしてあげましょう!また、入浴の温度は40℃以下で設定してください。急激な血行促進はヒスタミンという物質が発生してかゆみを生じる場合がありますので、長風呂は要注意です。入浴は10分程度が良いでしょう。
2. 室内の湿度を高めておく
特に冬は部屋中が暖房などで乾燥しがち。
室内の温度を高めておくことで、肌が乾燥していくことを防ぎます。
加湿器の使用が一番かんたんに部屋中を保湿することができるので、ぜひ設置してみてはいかがでしょうか?
その他にも塗らして軽めにしぼったタオルを干しておくだけでも結構効果的です。
6畳くらいの大きさの部屋では、一枚タオルを干すだけで相当な保湿効果が期待できます。
室内の保湿温度の目安ですが、60%以上を目指しましょう。
湿度が高ければ、風邪やインフルエンザの予防にもなりますので、しっかりと保湿をした方がいいです。
3. 肌着は化学繊維を使わないものを
あなたはいつも肌着はどのような素材のものを着ていますか?
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、敏感な身体の人は水分を奪われやすいです。
肌着として一番オススメなのは、肌に優しい木綿でしょう。
木綿の肌着は、肌触りもよく、肌に刺激を与えません。
お肌が弱いという方は、まず木綿の肌着に替えてみるのも手だと思います。
毎日のスキンケアは保湿を特に意識する
乾燥性皮膚炎は乾燥スパイラルを生み、お肌をがさがさにしてしまいます。
辛い乾燥で、毎日かゆみや湿疹で悩まされないためにも、お風呂上りはしっかりクリームでボディケアをしてあげましょう。
また一見するとオイリーに見えるインナードライ肌の場合も、基本は保湿です。
優しい洗顔後にしっかり水分を補給してあげましょう。
できれば時間のある時に、顔はローションマスクなどでお肌を休ませてあげることが効果的ですよ!